こんにちは、サンコーです。

　

きょうは鑑定士がどんな風に石を「鑑定」しているかのお話です。

　

宝石鑑定士は石のどこを見ているのか

お客様から持ち込まれた宝石を特定するためにはまず、外観、色相でおおよその鉱物類をカテゴリー分けします。

　

次にルーペ・顕微鏡での内包物のチェックや、屈折機による屈折率と単屈折、複屈折の判断などで、鉱物名・宝石名を特定していきます。

　

長年の経験と目で、よっぽど分からない石はない！と日頃から豪語していたのですが…

　

近年、新しいレアストーンが続々と宝石品質で産出され市場に参入しており、日々知識のアップデートを行っております。

最新レアストーンのご紹介

この不思議な青色の石。

　

アクアマリンにも似た色味ではありますが光沢が全く違います。

　

ネオンカラーのパライバトルマリンとも似ていますが、トルマリンの輝き方でもありません。

　

このような色のレアストーンにはフォスフォフィライトというものもありますが、フォスフォフィライトは硬度が3.5と非常にもろく、ここまでのカットはできないはず…

　

果たして、君の名は…？？？　

新宝石、グランディディエライト

この不思議な青い石の名前は、グランディディエライトといいます。

　

フォスフォフィライトに並び、なんて読みづらい名前でしょう。

　

　

【グランディディエライト】

　

1902年にマダガスカルで発見されたグランディディエライト。

　

当時マダガスカルを探検していたフランスの探検家、グランディディエの名にちなんでいるそうです。

　

※ちなみに…ライト　rite（アイト ite）というのは「石」を表しています。

タンザナイト、モアッサナイト、ゴッシェナイト、ネフライト、クンツァイトなどなど…○○+ライト（アイト）の付いた鉱物名はとても多いですね。　

　

グランディディエライトに話を戻します。

発見自体は1902年でしたが当時産出されるものはみな透明度が低く、宝石質と認められるルースはありませんでした。

　

その後21世紀に入りやっと宝石質のものが認められた、いわば宝石界のスーパールーキー。

　

超最新の希少石です。

　

どれぐらい希少かと言いますと…

これまでに800キロ産出されたうち、透明度が高く宝石品質と呼べるものはわずか60グラムだけと流通量が非常に少なく、最高品質のダイヤより希少性が高いといわれています。

それほどに、世に出回ることの少ない宝石でございます。

　

　

　

宝石鑑定士も日々、勉強です

何億年と歴史のある鉱物・宝石ですが、まだまだ産出されていない未知の宝石もあり、宝石業界も日々変化していきます。

　

我々も日々進化しなければ！と改めて宝石の世界は広く深いことを再認識できるような宝石界の大ニュースでした。

　

以前当ブログで「世界三大希少石」であるパライバトルマリンについてふれたことがございましたが…

　希少石パライバトルマリンのお買取りの記事を読む

実は今回の記事でご紹介したグランディディエライトは「世界希少石10傑」なる面白いグループに所属しております。　

　

もっと聞いたことも見たこともないような石が出てきてとても面白いので、残りもまたいずれご紹介できればと思います。

　

レアストーンをお持ちのお客様、もしいらっしゃいましたらサンコーへお持ちください。

それがどんな歴史をたどってきた石なのか、解き明かしましょう！